PCOS (Polycystic Ovary Syndrome) は１５−２０人に1人の女性が持っていると言われている内分泌系のコンディションです。PCOSは１つの病気というのではなく、多量の男性ホルモンの分泌が促されることによって体全体（特に排卵）に現れる様々な症状を含む症候群です。

体で何が起こっているの？

男性ホルモンの増加により、生理不順、不妊症をはじめ、卵巣嚢腫、ニキビ、多毛症、脱毛症、体重増加、前糖尿病、甲状腺異常など、その他にもさまざまな症状が見られます。

みんな同じ症状を持っているの？

一人一人のPCOSで異なる症状の組み合わせがみられます。

診断のためのテストは？

１つのテストだけではPCOSの診断には至りません。血液検査だけでなく、診察で確認できる症状から診断できる場合もあります。

治療薬はあるの？

それぞれのPCOSにはその人にだけの原因があるため、全てのPCOSに効くという薬や治療法はありません。よく避妊経口ピル、メトホルミンなどを処方されますが、これは症状を抑えるための薬であり原因を解決するための治療薬ではありません。

それならどうやって治療するの？

PCOSの治療は一人一人の症状の特徴に合わせて考えていく必要があります。多くの研究で示されているように、PCOSを持つ女性には特別なホルモンの体系があるので、その人に合った特別なプロトコルが必要です。

最初の診察はどういったものなの？

初回の診察では、これまでの心と体の健康について時間をかけてカウンセリングを行い、PCOSの根本的な原因が何かを見つける事を重点に行い、それから個々のトリートメントプランを考えて行くプロセスを始めます。

PMID: 29794677, 26509855 

PCOS にはさまざまな症状の現れ方があり、PCOS を持つすべての女性が同じ症状を経験するわけではありません。 医師の診察の必要性がある PCOS の一般的な症状には、次のようなものがあります。

1. 生理不順: PCOS の女性は、月経周期がまれ、不規則、または長くなることがあります。

2. 過剰な体毛: PCOS は、顔、胸、背中、または体の他の部分に過度の体毛の成長を引き起こす可能性があります。

3. ニキビ: PCOS はよく、しつこい顔、顎、デコルテ、または背中のニキビの原因となっています。

4. 体重が増えやすく減りにくい: Many women with PCOS may have difficulty losing weight and may gain weight easily.

5. 脱毛: 頭皮の薄毛や脱毛は PCOS の症状である可能性があります。

6. 疲労感: PCOS は疲労やエネルギーレベルの低下を引き起こす可能性があります。

7. 不妊: PCOSは女性の不妊症の一般的な原因です。

8. 気分の起伏が激しい: PCOS の女性は、気分の変動、うつ病、または不安を経験することがあります。

PMID: 24151290, 27406348, 25756387

PCOS にはさまざまな要因が考えられます。 PCOS の正確な原因は完全には理解されていませんが、いくつかの根本的な要因が関与していると考えられています。

1. 遺伝的要因: 

   • PCOSには遺伝的要素が絡んでいます。関与する特定の遺伝子はまだ特定されていませんが、特定の遺伝子変異または変異が症状の発症に寄与している可能性があるとされています。 (PMID: 27423183, 31920361)

2. ホルモンバランスの崩れ: 

   • PCOS は、ホルモンのバランスの崩れ、特にテストステロンなどのアンドロゲン (男性ホルモン) のレベルの上昇を特徴とします。 これらのバランスの崩れにより、正常な月経周期が乱れ、排卵が妨げられることがあります。 (PMID: 27419327)

3. インスリン抵抗性: 

   • インスリン抵抗性は、細胞のインスリンに対する反応が低下する状態であり、PCOS とよく関連しています。 これにより、血流中のインスリンレベルが上昇し、卵巣がより多くのアンドロゲンを生成してしまうようになります。(PMID: 15866584)

4. 炎症: 

   • 体内の慢性的な軽度の炎症がPCOS に関連している可能性があるケースもあります。 炎症因子によって正常なホルモンが作られる量やその働きを妨害する可能性があります。(PMID: 33917519, 33920227, 22178787)

5. 環境要因: 

   • プラスチック、殺虫剤、パーソナルケア製品などに含まれる特定の内分泌かく乱化学物質 (EDC) へ晒されるなどの環境要因が、PCOS の症状の発症または悪化に関連していることが示唆されています。 (PMID: 27559705, 36676087, 26825073)

6. Birth Control Pillsの服用をやめたことによる: 

   • PCOSの症状は、Birth Control Pillsの服用をやめた事によるホルモンバランスの崩れによって短期的に引き起こされる可能性があります。(PMID2947544)

7. 必須栄養素の不足: 

   • PCOS を持つ女性には、必須ビタミンやミネラルが欠乏しているケースがよく見られます。 これらの栄養素の欠乏は、うつ病や不安感が増えるなどの心の健康への影響と、インスリン抵抗性、糖尿病、不妊症などの体の健康への影響の両方に関連していると考えられています。 (PMID: 34970669)

PCOS は複雑で多くの原因が絡み合っています。

これらの原因の間にある相互作用と、それらが PCOS を引き起こす正確なメカニズムはまだ研究が続けられています。

PCOS は治すことはできませんが、うまく管理しながら付き合っていくことはできます。 

原因と症状の組み合わせは人それぞれ異なるため、これをすれば治ると言うような治療法はありません。 

PCOS の治療計画は、各個人のケースに合わせて医師と協力して、特定の症状、将来の妊娠出産計画、糖尿病や心臓病などの長期的な健康リスクに合わせた治療計画を立てていくことが必要です。

PMID: 27419327

治療プランには、主に以下のアプローチの組み合わせが使われています。

1. ライフスタイルの見直し: 

   • 長期的に結果を改善していくためのアプローチとして、食生活の見直しや効果的に運動を取り入れていくなどのライフスタイルを変えていくことがまず１番はじめに行うアプローチです。 このアプローチは薬の服用を始める前、または同時に行われます。

2. 処方薬: 

   • ニキビや過剰な毛を減らすための対策として、医師によって、錠剤、パッチ、注射、膣リング、またはホルモン子宮内器具 (IUD) などのホルモン避妊法を推奨する場合があります。 さらに、男性ホルモンの作用を阻害したり、インスリンと男性ホルモンのレベルを下げるために投薬療法が処方される場合もあります。 妊娠を希望している場合は、排卵を刺激するためにクロミフェン（クロミッド）などの不妊治療薬が処方されることがあります。

3. 減量: 

   • 減量に成功すると、血糖値がうまく制御されるようになる、インスリンがうまく細胞に働くようになりる、ホルモンバランスが回復するなどの効果が見られます。 通常約 10 パーセントのわずかな体重減少でも、月経の周期が向上したり、妊娠の成功の可能性が増えるなど、良い効果が得られる可能性があります。

4. 脱毛または減毛: 

   • 顔の脱毛クリーム、レーザー脱毛、電気分解の使用、またはエフロルニチン塩酸塩クリームなどの処方皮膚治療法を使うなど、不要な毛の成長に対処するためのいくつかのアプローチがあり、これらにより増毛率を効果的に減らすことができます。 

5. 体外受精 (IVF): 

   • 体外受精 (IVF) は、培養液の中で受精させて、ある程度まで育った胚を子宮に入れ着床させるというプロセスです。薬物療法のみのアプローチと比較して妊娠率が高く、多胎妊娠の可能性も減らします。

6. Surgery: 

   • 場合によっては、手術が推奨される場合があります。 その選択肢の 1 つに卵巣ドリリングがあります。これは、電気で加熱されたレーザーまたは細い針を使用して卵巣の外層 (皮質) に穴を開ける処置です。 この処置は排卵障害に対処することを目的としたもので、一般に排卵の回復につながります。 その効果は通常 6 ～ 8 か月間持続します。

www.womenshealth.gov, PMID: 27419327

投薬や手術は特定の人にとっては効果的な方法かもしれませんが、より自然なアプローチを好む人や、投薬の副作用について懸念を抱く人もいます。 PCOSの自然医学アプローチには効果が見られるまでに少し時間はかかりますが、根本にある原因を見つけて取り除いていくことから始めるので、自分の体と心と向き合いながら、今出ている症状だけでなく、これから起こりうる病気や症状への予防医学にも繋がっていきます。

自然医学の治療では、PCOSの原因であるとされているインスリン抵抗性、炎症、ホルモンのバランスの崩れを投薬で管理するのではなく、その人に特有の原因を見つけてその原因を解決していく治療を行います。 どうしても投薬が必要な場合は、投薬を勧める場合もありますが、その場合はどういった投薬がなぜ必要なのか、をわかりやすく説明しますす。

PCOS 管理に対する私のアプローチでは以下を主に行います。

1. パーソナライズされた治療計画:

   • PCOSの治療は一人一人の症状の特徴に合わせて考えていく必要があります。多くの研究で示されているように、PCOSを持つ女性には特別なホルモンの体系があるので、その人に合った特別なプロトコルが必要なので症状、病歴、ライフスタイル要因を考慮して、パーソナライズされた治療計画を作成します。(PMID: 27419327)

2. 食事療法とライフスタイルの改善: 

   • PCOS をコントロールしていくには、必要な栄養素の摂取ととライフスタイルの改善がとても大切です。現代人の生活習慣によるホルモンバランスへの影響もとても大きいです。各人に必要な栄養価の高い食品を取り入れたバランスの取れた食生活、インスリンの問題、炎症の問題、ストレスの問題に焦点を当てた一人一人に合ったトリートメントを考えていきます。 (PMID: 23688334, 28264433, 34371961)

3. 生活環境に存在する毒素に対するプロトコル: 

   • PCOS と環境毒素の関係を完全に理解するにはさらなる研究が必要ですが、環境汚染物質へ晒されることを最小限に抑え、健康的なライフスタイルで生活を送っていくことが、PCOS の症状をコントロールしていく上で大切です。(PMID: 27559705, 21193545, 36676087)

4. 腸の健康の改善: 

   • 最新の研究によって、腸の健康と PCOS の間の強い関係性が浮かび上がってきています。 私たちの腸に生息する微生物のコミュニティである腸内マイクロバイオームは、代謝、炎症、ホルモン調節など、健康のさまざまな側面において重要な役割を果たしており、PCOSを持つ患者さんの腸内マイクロバイオームのバランスが崩れていることが明らかになってきています。 (PMID: 29370410, 33171400)

5. Herbal and Nutritional Supplements: 

   • メディカルハーブと栄養補助食品: PCOS によって起こる特定の症状に対処するために、メディカルハーブと栄養補助食品を処方する場合があります。 これらのサプリメントは、ホルモンレベルの調節、代謝機能のサポート、インスリン感受性の改善、炎症の緩和等に役立ちます。(PMID: 30299265, 34371961, 19585478, 35916457)

6. Stress Management: 

   • ストレスマネージメント: 慢性的なストレスはPCOSの症状を悪化させます。マインドフルネス、リラクゼーションエクササイズ、セラピーボディワーク、カウンセリングなどを使って、患者さんのストレスの原因を探し、改善していくサポートをします。(PMID: 19150179)

最初のセッションでは、PCOS に関わっている症状の原因を探すために、体と心の健康についてを掘り下げて聞いていきます。そのため、初診は２時間という時間をとって食習慣、生活習慣、ストレス、その人のこれまでの人生、人となり、考え方、過去のトラウマ、などを知っていくことから始めます。

原因を探っていくためのプロセスとして、血液検査をオーダーします。

必要な、または勧めるラボに関する情報と、おおよその費用をお知らせします。

さらに、DUTCH テスト （Dried Urine Test for Comprehensive Hormones ）を利用して、ホルモンの産生と代謝を調査します。 この検査では、欠乏している栄養素、酸化ストレス、腸内健康、メラトニンレベルについての貴重な情報も得ることができます。

予算に制約がある場合は、遠慮なくお知らせください。 

別の調査方法を使ってトリートメントを始めることもできます。

その他質問がございましたらお気軽にお尋ねください。

2 回目のセッションでは検査結果を確認した上で、あなたのPCOSの症状の元となっている原因について話し合っていきます。その原因によって異なってくる患者様一人一人に合った治療計画を立て、詳しく説明させていただきます。

また、新たな症状、気になること、わからないことなどについて話し合う機会でもあります。

1時間かけてフォローアップし、トリートメントプランを調整する必要があるかどうかを確認します。

このセッションを新たな症状、気になること、わからないことなどについて質問する、などとしても使ってください。

対面またはオンラインで利用可能

米国ワシン適用保険

Premera Blue Cross

Regence Blue Shield

PIP / MVA

上記以外の

お持ちの方保険を

「ネットワーク外」の医療従事者として治療を行います。患者様の保険会社が「ネットワーク外」の医療従事者をカバーできる場合は、私の行ったサービスの詳細を記したスーパービルを提出することで、自己負担分を払い終わった後に保険会社へ償還請求することができる場合がありますので、ご自身の保険会社に確認してください。

保険会社に連絡する際、自己負担額と、「ネットワーク外」の医療従事者に対して何％がカバーされるのかに加え、次の訪問コードの払い戻しの割合について問い合わせることができます。

Diagnostic assessment for the first visit (CPT コード 99201 ～ 99205、modifier 25 の有無にかかわらず)

Follow up visit  (CPT コード 99212 ～ 99215 modifier 25 の有無にかかわらず)

Osteopathic manipulative treatment (OMT) (CPT コード 98925 - 98929modifier 59 の有無にかかわらず)

Electrical Stimulation (CPT コード 97032、modifier 59 の有無にかかわらず)

Therapeutic Exercise (CPT コード 97110 modifier 59 の有無にかかわらず)

Manual Therapy (CPT コード 97140 modifier 59 の有無にかかわらず)

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